まん丸、メジャーへの道 4

まことか、うそか、あること、ないこと、てきとうに。話半分でご覧ください。 

学生の頃は野球バカだったが、実は結構本を読んでいた。
片道1時間半の通学時間、往復で3時間を読書に費やしていた。
2日で1冊、1か月で約15冊、1年で約180冊。
読書家といわれている方の足元にははるかに及ばないが、
それでも「趣味は読書です。」と答えても恥ずかしくないかもしれない。
本は知識の源であり、想像力や発想力を養い、日本語の語彙・表現力を豊かにする。

通学電車の中でスマホゲームに興じている学生の諸君、
諸君は、時間をただ無駄に浪費してはいないだろうか?
諸君は、自分を高める機会を逃してはいないだろうか? 

学生諸君、もっと本を読みなさい。


私が本にハマったきっかけは「八甲田山死の彷徨」(新田次郎)だった。
日露開戦前夜、雪中行軍演習と称して厳冬期の八甲田に挑み
大量遭難した青森5連隊と無事帰還した弘前31連隊を対比して描いた、実話に基づく作品だ。
学校から帰宅した時にテーブルの上に無造作に置いてあったこの本を
手に取って何の気なしに読み始めたのが、新田作品との出会いだった。
何度読み返してもワナワナと手が震えた。それから新田作品をむさぼり読んだ。
「剣岳~点の記」「聖職の碑」「アラスカ物語」「芙蓉の人」
「富士山頂」「火の島」「孤高の人」…
新田次郎は、大自然の猛威の前になすすべなく翻弄されながらも挑戦する人間の姿を描く。
時を変え場所を変え何度読み直しても、その度に描かれている世界観に圧倒させられる。


新田次郎の多くの作品もそうだが、私はノンフィクション(に近い)小説が好きだ。
それには訳がある。
例えば、第2次大戦時の海軍三羽烏と呼ばれた米内光政・山本五十六・井上成美、
この3人をそれぞれ主人公にした小説がある。
阿川弘之の「山本五十六」「米内光政」、宮野澄の「最後の海軍大将・井上成美」だ。
小説は、どうしても主人公主体、主人公目線で話が進み、
周辺の人物は主人公を引き立たせる役割として幾分損な役回りを務めることになる。
ところがである。
この3冊をシンクロさせて読むと、時代背景や情勢・状況が驚くほどよく見えてくるのだ。
わかりやすくいうならば、3人がそれぞれ主人公、それぞれ脇役となることで
3人の立場、他の2人の評価、関係性、言動への影響力といった部分がより鮮明になり
3人の人物像がより魅力的に多面的に理解できるようになるだけでなく、
その時起きた事象や事件も多方向から客観的にとらえることができるのだ。

同じような読み方は「海の史劇」(吉村昭)、「坂の上の雲」(司馬遼太郎)でもできる。
連合艦隊vsバルチック艦隊の日本海海戦を描いた「海の史劇」の読後に「坂の上の雲」を読むと、
大艦隊を率いて日本海へと大航海をしているロジェストヴェンスキー提督の姿と
そのバルチック艦隊をその日本海で迎え撃とうと待ち受けている秋山真之の姿が
同じ時間軸の上で重なり、小説では描かれていない部分が頭の中で相互補完され、
その世界観が無限に広がっていくのだ。
こういう感覚は、完全フィクションの小説を読んでいても体験できない。


また、史実や事実に基づく本との関り合いは、
私のモノの見方、考え方、大げさに言えば私の生き方にまで影響を与えた。
高校3年の時に古本市で全8巻・1000円で売っていた「小説吉田学校」(戸川猪佐武)を
まとめ買いをし、一気読みしたことが私の大学、進路学部を決めたのだ。
「小説吉田学校」は、フィクションが含まれているとはいえ
実在の人物が登場し実際に起こった事柄がほぼ時系列に沿って描かれているため
ノンフィクションといっても過言ではない小説だ。
内容は日本の外交史や政策史ではなく、総理・総裁の座をめぐる権力闘争を描いた物なのだが、
それでも日本のリーダーたちが繰り広げてきた戦後の日本政治そのものだ。
戦後日本を牽引してきたリーダー達の考え方や行動を知らずして
日本の戦後を総括し評価することができるのだろうか?
戦後日本を自分なりの尺度で評価できない者が、
これからの日本の将来像を語れるわけなどないではないか。
この思いが、私に大学で政治学を学ぶことを決心させたきっかけとなったのだ。
なぜか大学での専攻は現代中国政治論であり、
今は政治とはまったく無縁の職種についているが…。


ちょっと話がそれる。

ネットが発達した現代社会において、
「調べたければネットを使えばいい」という風潮が蔓延している。
だがネットは、不特定多数が情報発信者となり
その情報を垂れ流しているだけで、その真偽を検証することはない。
そういう責任の所在が明確でない情報を鵜呑みにしたり、
その時の風潮に流されて判断を誤らないようにするためには、
氾濫する情報を取捨選択する目を持つことが重要だ。
目、それは自分の言動の指針であり、
自己判断の拠り所となる確立された揺るぎない基準のことである。

これを見出すには本だ。本が最もふさわしい。
本を読んで何も感じない人はいない。
おもしろい、つまらない、良い、悪い、何かしらの影響を受ける。
様々な本を読めば、様々な影響を受ける。
そうこうしながら何冊、何十冊、何百冊、何千冊と読んでいくうちに
おのずと自分が共感するポイント、自分が心を揺さぶられるポイント、
その共通項がなんとなく見えてくるはずだ。
そして更に、何冊、何十冊、何百冊、何千冊と読み進めていくと
ぼんやりしていた共通項の輪郭が、次第に明確に見えてくるようになる。
それこそが自分の指針であり、揺るぎない基準であり、自分の存在そのものなのだ。
自分の中に立ち込めているモヤモヤの霧の中から自分という存在を見つけ出す、
これが本を読むということの意義だ。
それゆえネット社会が発達すればするほど、本を読む必要があるのだと私は思う。

通学電車の中でスマホゲームに興じている学生の諸君、
諸君の自己の言動の指針とは何か?
諸君の判断の拠り所となる揺るぎない基準とは何か? 

パズドラしてても答えは出てこないだろう。


元に戻そう。

私の本との関り合いは、
新田次郎から吉村昭・星新一・筒井康隆・城山三郎へと、
ノンフィクションからフィクションへと、
更にはエッセイ・書評・ドキュメント等々へと次々に広がっていった。
私の部屋には、そういったハードカバー・文庫本、その他の様々な本が
段ボール箱に詰め込まれて何個も積んである。
いつでも読みたいと思っている本ばかりで、
全部本棚に並べておきたいのだが、収まりきらないのだ。
いくら小遣いが足らなくなっても、ブックオフに持ち込むわけにはいかない。

私に小さい頃から「本を読みなさい」と調教された中1の長男は、無類の本好きになった。
どちらかというと作者・ジャンルを問わない乱読派のようだが、
伊坂幸太郎、重松清、東野圭吾、福井晴敏、京極夏彦などを暇さえあれば読んでいる。
期末テスト中でも読んでいる…って、おいおい。
最近は、私の部屋の段ボール箱を勝手に開け中から何冊か適当にピックアップし、
自分の部屋に持ち込んで読んでいるようだ。
私としては大歓迎だ。どんどん読んでもらった方が本も喜ぶだろうし
私がこれまでに読んできた本を子供達が読んでくれることは非常に嬉しく思う。

だが、ちょっと困ったこともある。
長男が持ち出した本は、私の部屋に返ってこないのだ。
いつの間にか長男の部屋の本棚に、無造作にボコボコと突っ込まれている。
本棚ならまだいい、床に平積みされていたこともある。
大事にしていた本なのに、こんな雑に扱いやがって!
と立腹することも少なくなくなってきた。

だ、か、ら!!!

だから、この大事な大事な本だけは、

死んでも長男に貸すわけにはいかない!!!!!




      中森明菜写真集

     「 中森明菜写真集 近代映画社増刊 」


明菜ちゃんのデビュー当時の貴重なビキニ姿がおさめられている、この本だけは…。







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コメント

ふだんウルトラライトのアメリカンを読んでいるのでつい、
野球バカも20歳過ぎればただのバカ、なんて突っ込みを入れたくなってしまいます。今日は真面目な話なのにね-。

通学電車の中でスマホゲームに興じている学生の諸君!と呼びかけても、彼らはたぶんこのブログを読まないと思うので空しいですね。
師匠と同じ年代のオジサンが地下鉄や私鉄の中でipadの大型画面でゲームに興じている姿をよく見るし、それは学生諸君よりもだらしないと思うから、学生諸君よりもオジサン諸君にもの申したいです、僕は。

書かれている本はほとんど全部僕も読んでます。1日一冊本を読むと決めて40年以上、3年ほど前までそれを守ってきましたので、僕も師匠に負けず本好き人間といえましょうか。師匠と違うのは、読み終えた本は処分している点です。本棚4本に収まらなくなった時点で蔵書はやめました。今本棚にあるのはほとんど新書だけです。学術的な面での資料代わりに保存しているという感じです。

さすが師匠、最後にオチを入れましたね。

けど、本ちゃうやん。写真集やんと言いたいが、まあいいか。
僕も宮沢りえの写真集持ってるし・・・。
上に書いた新書の本箱に収まってます。最も艶っぽい写真集だと思っている樋口可南子の写真集とともに。
幸い、長男はいないので、消える心配はありません。(笑)

2014.03.26  たかのつめ  編集

たかのつめさん、おはようございます。

学生諸君!と呼びかけたのは、彼らにはまだ未来があるという事なんです。悔い改めて更生の余地がある。(笑)
社会人にもなって、電車内で堂々と少年マンガ雑誌を読んでたり、一心不乱にスマホゲームに興じている人達は、もう手遅れなんですよ(苦笑)。

最近バタバタしていて、本を読んでません。本屋へ行くと面白そうなのを2~3冊見繕って買ってくるんですけど、買ったっきり読んでない…。そういう本が7~8冊あるんですけど、いつの間にか長男の本棚に並んでたりするんですよねぇ。(笑)


ということで、本を読みましょう。

2014.03.26  三流亭まん丸  編集

はじめまして

ふらりとお邪魔させていただきました。
わたしも10代に読書を薦めるべく日々奮闘中なので、学生さんに読書を呼びかける記事に心打たれました。

お父さんの本棚から息子さん本を選んで読むなんて、理想の読書環境ですね(^^)

明菜ちゃんの写真集が奪われないことを願ってます。

2014.03.31  ゆう   編集

ゆうさん、こんばんは。

心打たれちゃったんですか?
お笑いカテゴリーのブログなので、
どうお答えしていいのか戸惑っちゃいますね。(苦笑)

最近気になっているのは、
大阪大学出版(?)から出ている
「ドーナツの穴を食べる方法」(?)とかなんとかいう本です。
消費税率が上がる前に
是非購入しておきたいなぁと考えてるんですが…。

2014.03.31  三流亭まん丸  編集

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ちなみに、「三流亭」を名乗られる諸先輩方とは
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