まことか、うそか、あること、ないこと、てきとうに。話半分でご覧ください。 
2015年02月26日 (木) | 編集 |
「ねぇ、おじいちゃん、なんかお話、きかせてよ!」
「そうじゃのう、じゃあ、今日はこんなお話じゃ。」


ちょっとだけむかし、あるところに
心の優しいおじいさんとおばあさんがいました。
ある寒い冬の日、おじいさんは町へたきぎを売りに出かけました。
すると途中の田んぼの中で、
一羽の鳥がワナにかかってもがいていたのです。
「おお、おお、可愛そうに」
おじいさんは急いでワナをはずしてやり、鳥を逃がしてやりました。
すると鳥は何事も無かったかのように
すーっと空の彼方に飛んで行ってしまいました。

その夜、日暮れ頃から降り始めた雪が、
コンコンと積もって大雪になりました。
おじいさんがおばあさんに鳥を助けた話をしていると、
表の戸を、ダンダン、ダンダン と乱暴に叩く音がします。
「ごめんよ。ちょっと開けてくれや。」
男の人の声です。
おばあさんが戸を開けると、
頭から雪をかぶったガラの悪そうな若い男が立っていました。
おばあさんは恐る恐る「どちらさんで?」と尋ねると
若い男は「道に迷っちゃってよ、雪すげーし、一晩とめてくんねぇかな。」
とぶっきらぼうに、ずうずうしく頼みました。
「この大雪じゃあ動けんね。こんなボロ家でよかったらどうぞお泊まりなさい。」
「さんきゅ、ばぁさん。」
男は顔色一つ変えず、ふてぶてしい態度で家の中に入ってきました。
そして一言も喋らず、ドンブリ飯3杯をかっ食らい、そのまま寝てしまいました。
あくる朝、おばあさんが目を覚ますと、男はまだ寝ていました。
そしてその日は何するわけでもなく、一日中ゴロゴロしていて、
そのくせ朝、昼、晩とドンブリ飯3杯ずつをかっ食らいました。
次の日も、その次の日も大雪で、家から1歩も出ることができず
その間若い男はゴロゴロしっぱなし、ドンブリ飯3杯をかっ食らい続けました。
「あの男、いったいいつまでいるつもりなんでしょうねぇ。」
「まぁ、この大雪がやむまではしょうがないじゃろ。」
そして雪はまた今日も降り続けるのでした。

さて、ある日の事。
男がおじいさんに
「連絡してぇとこあるんで、ちょっと電話を貸してくれ。」と頼みました。
おじいさんが自分の携帯電話を渡すと
男は 「部屋をのぞくんじゃねぇぞ」とスゴんで、
障子をピシャッとしめて、中で何やら話しを始めました。

それから3日がたちました。
おじいさん、おばあさん宛に小包が届きました。
2人が小包をあけると、中から100万円の束が5つ、出てきました。
「こ、これは、いったいどういうことじゃ?!」

その様子を傍から見ていた若い男は、
ふたたび「絶対にのぞくんじゃねぇぞ」と2人を威嚇すると、
部屋の中に閉じこもり、電話で話しを始めました。

それから3日後、ふたたび小包が届きました。
今度は100万円の束が10束、でてきました。
おじいさんとおばあさんはわけがわからないまま大喜びしました。

おじいさんと、おばあさんは
「きっとあの若い男が何かしてくれたに違いない。」
そう考えました。
でもいったいどうやって? それが不思議でなりませんでした。
そして若い男が「のぞいたら、ぶっとばす!」と脅しながら
3回目に部屋に閉じこもったとき、
2人は我慢できずに障子を少しそーっとあけて
部屋の中をとうとうのぞいてしまったのです。

中では一羽の鳥が、携帯電話を使って話し込んでいました。
鳥は2人の視線にハッと気づき電話を切りました。
そして観念したかのように2人にむかって話し始めました。
「じいさん、ばぁさん。ホントの姿を見られちゃ、しょーがねぇ。
おれはよぉ、この前じいさんに助けてもらった鳥だよ。
どうしても恩返ししたくってよ、
若い男に化けてこうしてあらわれた、ってわけ。
でもよ、ばれちゃったらここに居続けるわけにはいくめぇ。
…達者で長生きしろよ、あばよ!」

そう言ったかと思うと、空へ高く舞い上がり、
あっという間に山の向こうへ飛んで行ってしまいました。
いまだにどこに飛んで行ったのか、知る人はいません。

その後、おじいさんとおばあさんは、
家に届いたお金で幸せに暮らしましたとさ…


ってなわけはなく、ある日のこと。
表の戸を、ダンダン、ダンダン と乱暴に叩く音が。
「警察だ! 開けなさい!」




「これが有名な 『 サギの恩返し 』 というお話じゃよ。」





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